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小論文実況中継(1)

 今回は都立中高一貫校を狙う小6生の作文(小論文)に対しどのような指導が行われどのように進歩していったかを生徒が書いた実際の作文を使って実況中継してみたい。
 
 まず課題文を引用する。
 理想的なコミュニケーションとはどういうものか。私は、クリエイティブな関係性だと思う。クリエイティブとは、新しい意味がお互いの間に生まれるということである。たとえば、ある知識を持つ人が、もう一人にその知識を伝えたとする。そこで質問が行われ、対話的に情報が伝えられたとする。その場合、聞き手にとっては、新しい意味が獲得されたことになる。一方通行ではなく、聞き手側が質問やコメントといった形でアクションを起こすことによって、話される意味が少し変わってくる。コミュニケーション力を生かして、情報伝達の質を高めるということはある。
 しかし、ここで私の言うクリエイティブな関係性は、話をすることでお互いにとって新しい意味がその場で生まれるという関係を指している。聞き手が発した言葉によって自分が刺激され、新しい意味を見つけだすことがある。二人で「ああ、そうだったのか、気づかなかったね」と喜び合うような瞬間がある。それがクリエイティブな対話の関係性だ。
 自分の経験で振り返ってみてほしい。対話する前には決して思いつくことのできなかったことを思いついた瞬間があるのではないだろうか。謎が解け、霧が晴れたような快感。脳が活性化し、ワクワクするような気持ち。こうした快い興奮がクリエイティブな対話にはある。どちらの頭が優秀であるかということを競い合うのが対話の目的ではない。どちらから新しい意味が生まれたのかさえも重要ではない。大切なのは、今ここでのメンバーで対話をしているからこそ生まれた意味がある、ということだ。意味に日付と場所を書き添えることさえできる。あのとき、あそこで、あの「意味」が生まれたんだと、と思い起こすことができる対話経験があれば、それをコミュニケーションの理想形と設定できる。  (齋藤孝「コミュニケーション力」)

 問題 あなたにとっての理想的などのようなものであると考えますか。そう考える理由、その会話を実現させるために気をつけなければいけないことを含め、自分自身の体験例をあげながら四百字程度で書きなさい。

 S君の一回目の提出作文をつぎに載せる。

 対話をするとき、そのメンバーのだれかが、自分の知識、情報を伝えようとする。そこで話の題が決められ、全員がそれに対する質問意見を述べたりして、情報の新しい考え方、向きあいかたが出てくる。
 このような形が理想的な対話と考える。聞き手は新しい知識情報が得られ、聞き手の質問、意見によって、言い手も新しい考えが生まれる。
 しかし、聞き手に情報、知識が伝えられていないとそれに対する質問や意見が出ないため、よりよく情報の考え方がふかめられなくなり、対話が出来なくなる。実際に、相手に情報を伝えきられないで対話をしてしまったことがある。特に、それに対して。考え方がふかめられなく、前と後で変わったことはなかった。
 対話をするときは、まず、相手に自分が持っている知識、情報を伝えきって、聞き手からの質問、意見を言われて、話し合いが初まらないと、ふかく考えがならない。

上の提出作文に対し以下の講評を書いた。

「理想的な対話とは?」講評 6年生になり受験も迫ってきていますので少しずつ厳しく指導していきたいと思います。厳しいことが書かれていてもくじけず頑張りましょう。立川国債に受かるための戦いの始まりです。
◆細かい修正事項

①話の題→話題  ②言い手→話し手 ③ふかめられ→深められ ④初まらない→始まらない これらの細かい点は修正を
◆設問に従う
・設問とは「あなたにとって理想的な対話とはどのようなものだと考えますか?」とあります。このような設問の場合、書き出しは「私にとって理想的な対話とは~」としましょう。 ・設問には「そう考える理由」を書くよう指示がありますが、君の文には理由にあたる箇所がありません ・「その対話を実現させるために気をつけねばならないこと」も書かれていません。これだけで大幅に減点です。仮にこれが本番の試験だったら不合格です先ずはどんなに時間がかかってもいいので設問にしっかり答えるようにしましょう。

この項が長くなったので次の功へ改めたい。

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論理エンジンって?(英語編)その1

 論理エンジン国語は前回のブログで述べたので今回は英語について述べたい。出口汪氏の論理エンジンを使って国語を教えるようになって今年で20年になる。同時に英語も教えているのでこれも20年だ。論理エンジンの国語の初めの部分に主語、術後、目的語、言葉のつながりなど一文を徹底的にかみ砕き一文の構造をつかもうとする項目が続く。実は自分も英文でこれに似たことをやっていたので根底の考え方は同じだと思い論理エンジン英語と命名した。これが商標権とかにひっかるかどうかはわからないがもう20年も使っているし幸いメジャーにもならなかったので何のお咎めもなくここまできている。

 では論理エンジン英語の2本の柱を説明する。一つはかっこ付けである。句、節を見つけたら大、中、小、微かっこをつけていく。これは今では同じことをやっている人をたまに見かけるが佐々木塾が最初であったと信じている。さらに手が込んでいるのはかっこには色を付けることだ、齋藤孝さんの「3色ボールペンで読む 日本語」という本があったがそれよりもずっと早く3色ボールペンを使っていた。齋藤さんの「大事」に赤、「まあ大事」に青、「おもしろい」に緑とは違い、こちらの3色は「名詞句・節」に黒、「形容詞句・節」に赤、「副詞句・節」に青色でかっこを付けるというものだ。

 黒は名詞なので主語、目的語、補語、前置詞の目的語、同格などになる。赤は形容詞なので名詞を修飾する。前から修飾するものと後ろから修飾するものとがあるがこの後ろからのものに赤かっこを付けるのだ。それと連語で補語になるっている連語にも赤を使う。青は副詞なので名詞以外、つまり動詞、形容詞、副詞そして文全体を修飾する。赤のように名詞の直後につけるのと違い、青は被修飾語の前後どちらにでもつく。以上がかっこ付けの要領となる。

 もう一つは5文型だ。生徒などに聞くと学校での教え方は至極あっさりしたものらしい。しかし佐々木塾は違う。徹底的に5文型をやる1000文以上の例文でこれでもかという具合に鍛える。5文型を知らずしてどうやって精読するのか佐々木には謎だ。スラッシュリーディングとかパラグラフリーディングは速く読むのには確かに効果的だが5文型をしっかりわかってから身につければその効果は何倍にも膨らむと考える。佐々木塾英語指導法である。ここまで書いてきてハタと気づいた。論理エンジンと名付けた意味が分からないと言われそうである。その説明をしていきたい。
 
 
 

佐々木塾の20年

 佐々木塾も開塾して20年(正確には19年と3か月)になろうとしています。大して宣伝はしていないけれど、何とかここまでやってこれたのは佐々木塾を信じて通ってきてくれた生徒さん及びその保護者のおかげです。いくら感謝しても感謝しきれな気持ちです。よくレストランなどで予約客が引きも切らず殺到する店があると聞きます。小さいながら抜群の味、接客、雰囲気で高い満足度をお客さんに提供している店。佐々木塾もそんな塾を目指したいというのが塾を始めたきっかけでした。塾の場合ははお客さんに満足度を与えるとは、「成績を上げる」「志望校に合格する」ことだろうと思います。が、それ以上に「佐々木塾に通えて本当によかった」と卒業していく生徒さんに言ってもらえること。これが塾をやっていて最もうれしい言葉です。以前他のところにも書いたことですが、「自分から幸せをつかみに行くのではなく幸せのお手伝いをしてそのお裾分けをいただく」この気持ちを忘れずに20年の節目を迎えます。

 20年を振り返って少し自慢させてください。一つは通ってくれている生徒さんの通塾地区が多岐にわたっていることです。国立、国分寺はもちろんですが、府中、立川、小平、武蔵小金井、杉並区、中野区、練馬区、日野、八王子、福生、瑞穂町、川崎、相模原、上野原、などから通ってもらっています。このこじんまりした個人塾の割には広範囲から通ってもらっているなあちうのが正直な感想です。自慢ではありませんが佐々木塾の専門性をご理解いただいているためと勝手に解釈しています。

 もう一つは兄弟率の高さです。先に豈(姉)が入塾し1,2年遅れて弟(妹)が追いかけるように入ってくれる。おそらく兄弟率は
50%を超えていると思います。通っている時期が被らないならもっと高いかもしれません。これも佐々木塾の質を認めてもらえている証拠だと思っています。
 
 さらに特筆すべきは一人の生徒の通塾の長さです。これまで小学4年生の時に入塾してくれてその後大学受験まで9年間教えた生徒です。大学入学後も時々元気な姿を見せてくれます。卒塾性が来てくれるのは塾をやるものにとって至福の時です。一人忘れていました。最長者は小学1年生の時に入ってこれまた大学まで教えた生徒がいます。彼は12年間の在籍です。しかも今佐々木塾の講師をやってもらっています。彼との付き合いは15年になります。おそらくこれほど長く一塾に通う生徒はいないのではと推察します。これは佐々木塾が国語、算数のみならず、英語、古文、漢文、数学、理社も教えていることが要因だと思われます。高校生の数学は自分には無理ですが佐々木塾卒業生が講師として来てくれて乗り切っています。ほかの塾では考えられないような特徴を持つ佐々木塾。これからも「生徒さんの幸せに寄り添ってその幸せのお裾分けをいただき生きる励みにしたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。


 

大学入試問題国公立VS私立

 大学の過去問対策をしているのででたくさんの過去問に触れることになる。今年はちょっと早いが過去問対策を始める人も出てきた。そこで感想を一言述べておきたい。私の評価のポイントは受験問題といえども読んで「なるほど」とか、知らなかったことがそれを読んだことで「知識として蓄えられる」とか、小説ならちょっと感動するような話を選んでいるかだ。よく考えて出題していると思う文章を少し上げてみると、筑波大学2018年これは翻訳された本はないと思うので、拙いが佐々木訳でお伝えしたい。


「ある人が自分の時間をあなたの面倒を見るために使ったとすれば、その人が自分のためまたは他の誰かのためにできなかったことが生まれてしまう。あなたの頼み事は些細なことだと考えて自分をだますことは簡単だ。しかし忙しい人にとっては小さな頼み事など存在しない。自分のしていたことを中断して、あなたの頼みごとに専念して、それに応じるために時間をとらなけrばならないのだ。この行為に対しあなたその人感謝の意を込めたお礼状を出すべきだ。しかし実際はお礼状を出す人はひどく少ない。お礼状を出せば大勢の中であなたはきっと目立つだろう。」


 また法政大の経済学部2016年「練習か遺伝子か」バイオリンをマスターするには1万時間の練習を要するとされるが、果たしてこれは本当か。音楽にふさわしい遺伝子を欠いていれば2万時間の練習も無意味だとする学者もいる。実は練習と音楽技能にはあまり関連性が見られないことを双子の実験を通して証明して見せたのである。筑波大や法政大のように良質な文章を選びそこから問題が作られるのであれば受験生側も
  

 一方どうでもいいような文章を選んでいる大学も多い。代表的なところで言うと上智大学の総合人間学科2017年の2番「家が物語ること」この文章は場所がでアメリカの話なのかヨーロッパの話なのか分からない上に時代も現代なのか中世なのか絞り切れない散漫さだ。また早稲田の商学部2016年の2番「エスカレーターの正しい乗り方とは」エスカレーターは右の立つべきか左なのか。歩くべきなのか立ったままでいるべきなのか、イギリスは右側に立つことを推しすすめた最初の国だなどとどうでもいい文書に付き合わされつ受験生の身にもなってほしい。蘊蓄、小ネタ、トリビア的話などなにも受験会場で読ませなくともいいのではという気になってしまう。


 片手間なマニアックな文章を選んでる先生は猛省してほしい。1年かけて受験生は準備をしているのだからそれに見合う問題を吟味するのが教師の務めだと思う。いろいろな大学の過去問を解いているが読後の感想でいい文だった思える文章を使っている大学は圧倒的に国公立が多い。総じて私立はつまらない問題が多い。文法とか熟語の問題にしても辞書を引いても出てないような問題はいったい何のためのテストなのかという疑問抱かざるをえない。問題作成者は死に物狂いで勉強している受験生に対峙した問題を作ってほしい。






 

英検2級必勝英作文

英検2級のための英作文の書き方を考えてみたのでブログにも載せてみることにした。

プリント(1では10個の構文を伝えましたがこのプリントでは英検2級でよく出るトピックに絡ませて10個の構文の使用例を示していきます

1環境   環境問題は環境保護(environmental protection)の観点から公害(pollution)ごみ処理問題(garbage disposal),地球温暖化(global warming) といった重要テーマについては常に原因と対策を考えておきましょう。

またそれだけでなく3R(recycle, reuse, reduce)や自家発電(private power generation),電気自動車(electric car)中古品(second-hand goods)などの言葉も重要となってきます。

 

問  Some people say that it is difficult to reduce the amount of garbage we make. What do you think about it? 

 

解答例  I don’t think that it is difficult to reduce the amount of garbage we make. I have two reasons.

First, technical advancement has made it easier to reduce garbage and recycle used products. More and more used materials are getting easier to be recycled and reused. Second, there is an environmental awareness among people. For example, the so-called “the 3Rs”, or reduce, reuse, and recycle. This awareness is good way to make great efforts to deal with these serious environmental problems. That is why I disagree that it is difficult to reduce the amount of garbage we make.

 

以上の解答例にはプリント(1)で暗記をおすすめした⑩,,,⑦を使っています。注意したいのは自分の知っている確実な単語、文法を使うことです。あいまいなものは使わないでください。上の文ではadvancement(進歩)を使っていますが、development, progressとかでも大丈夫です。

 

2教育   教育分野では早期の英語教育(early English education)をは締めとして留学(studying abroad)の是非、留学生(international student)や文理(literature and science)選択の増減など。それに関連してインターネット、携帯電話(cell phones)、電子書籍(an electronic book)の使用についてなど。さらには部活動

club activities)ボランティア活動などに関連した幅広いトピックが扱われています。

 

問  These days sports club activities at some schools have become less popular. Do you think sports club activities are important in school education?

 

解答例    I think that sports activities are important in school education. I have two reasons. First, sports club activities develop a spirit of cooperation. Doing team sports such as soccer and baseball are a good way to talk to one another. It makes them create a desire to help one another.

Second, sports club activities develop mental strength among students when they are fighting. For instance, it is necessary to have strong determination when they keep trying to achieve their goals in spite of great difficulties. For these reasons, I believe that sports activities are important in school education.  

以上の解答例ではプリント(1)から⑧,,①を使っています。


論理エンジンって?(国語編)

 佐々木塾では「論理エンジン」という教材を国語、および英語に使っている。国語の「論理エンジン」は出口汪氏の開発した教材である。命名者も出口氏で、佐々木塾が英語の教材に対して名乗っていいのかその辺の詳しい法律的根拠はよくわからないがもう20年以上使っているので今更変えることもできない。前置きはさておき、ここではまず「論理エンジン国語」とは一体何なのかを改めて考えてみたい。そして「論理エンジン英語」にも次に触れていくつもりだ。

 基礎学力という言葉がある。数学なら計算力であり知識力(これまで解いた問題を何度も反復して解けるようになっている力のこと)いったものがすぐに思い浮かぶと思う。もちろんヒラメキも大事だが万人にその力が与えられているわけではない。差し当たって数学が強くなりたい人は計算力、知識力を高める努力をすればいいわけだ。では国語ではその基礎力とは一体何なのだろう?

漢字力か、語彙力か、はたまた文法かそれぞれに大事なことは否定できないが、ではそれを圧倒的に身につけたら国語の成績は上がるのか?答えはノーだ。我々の国語力は意識的に身につけたものではなく、これまで生きてきて自然に身についたものなのだ。それでこれまで何とか乗り切ってきたのだ。すべての教科の基本と言われている国語の基礎が何かもわからずに我々は過ごしてきた。教える側も(今国語の教師をしている人は高い国語力を自然に身につけた人だと考えられる)国語力を持つ人にももたない人にも一律に小説を読んで観賞したり、感想文を書いたり論説文を読んでの読解をしているのが現状である。九九のできない小学生に割り算を教えても時間の無駄だということは誰もがわかると思う。日本の国語教育はそれに近いことをやっているのだという思いをかねてから抱いてきた。

 さて論理エンジンは国語力を意識的に身につけようという教材なのだ。国語の基礎とは論理的に読み、考え、書くという技能のことを言うのだということを出口氏は唱えている。論理とは日本語を一定の規則に従って使用することだ。日本語の規則を教えずに基礎力育成の効果は期待できない。さらに論理力の育成には使い方を習熟=身体化する必要があるのにそれがなおざりにされている。このふたつを、つまり日本語の規則とその習熟を教える側がしっかり認識し、教わる側も国語力を付けようという志が融合して真の国語力が身につくのだ。この思いを共有できる人是非佐々木塾に来て論理エンジンを一緒に勉強しましょう

 

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