佐々木塾ブログ

大学入試問題国公立VS私立

 大学の過去問対策をしているのででたくさんの過去問に触れることになる。今年はちょっと早いが過去問対策を始める人も出てきた。そこで感想を一言述べておきたい。私の評価のポイントは受験問題といえども読んで「なるほど」とか、知らなかったことがそれを読んだことで「知識として蓄えられる」とか、小説ならちょっと感動するような話を選んでいるかだ。よく考えて出題していると思う文章を少し上げてみると、筑波大学2018年これは翻訳された本はないと思うので、拙いが佐々木訳でお伝えしたい。


「ある人が自分の時間をあなたの面倒を見るために使ったとすれば、その人が自分のためまたは他の誰かのためにできなかったことが生まれてしまう。あなたの頼み事は些細なことだと考えて自分をだますことは簡単だ。しかし忙しい人にとっては小さな頼み事など存在しない。自分のしていたことを中断して、あなたの頼みごとに専念して、それに応じるために時間をとらなけrばならないのだ。この行為に対しあなたその人感謝の意を込めたお礼状を出すべきだ。しかし実際はお礼状を出す人はひどく少ない。お礼状を出せば大勢の中であなたはきっと目立つだろう。」


 また法政大の経済学部2016年「練習か遺伝子か」バイオリンをマスターするには1万時間の練習を要するとされるが、果たしてこれは本当か。音楽にふさわしい遺伝子を欠いていれば2万時間の練習も無意味だとする学者もいる。実は練習と音楽技能にはあまり関連性が見られないことを双子の実験を通して証明して見せたのである。筑波大や法政大のように良質な文章を選びそこから問題が作られるのであれば受験生側も
  

 一方どうでもいいような文章を選んでいる大学も多い。代表的なところで言うと上智大学の総合人間学科2017年の2番「家が物語ること」この文章は場所がでアメリカの話なのかヨーロッパの話なのか分からない上に時代も現代なのか中世なのか絞り切れない散漫さだ。また早稲田の商学部2016年の2番「エスカレーターの正しい乗り方とは」エスカレーターは右の立つべきか左なのか。歩くべきなのか立ったままでいるべきなのか、イギリスは右側に立つことを推しすすめた最初の国だなどとどうでもいい文書に付き合わされつ受験生の身にもなってほしい。蘊蓄、小ネタ、トリビア的話などなにも受験会場で読ませなくともいいのではという気になってしまう。


 片手間なマニアックな文章を選んでる先生は猛省してほしい。1年かけて受験生は準備をしているのだからそれに見合う問題を吟味するのが教師の務めだと思う。いろいろな大学の過去問を解いているが読後の感想でいい文だった思える文章を使っている大学は圧倒的に国公立が多い。総じて私立はつまらない問題が多い。文法とか熟語の問題にしても辞書を引いても出てないような問題はいったい何のためのテストなのかという疑問抱かざるをえない。問題作成者は死に物狂いで勉強している受験生に対峙した問題を作ってほしい。






 

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